糖尿病とは?
我国では、いわゆる予備群を含めると900万人とも言われ、罹患者数が多い病気の一つです。そして、その多くはⅡ型糖尿病と言われ、血糖の管理が最も大切です。
多くの患者さんは、HbA1cの数値で糖尿病を管理していますが、合併症の予防には5.8でなくてはならないと言われています。
糖尿病に対する現在の医療の対応は?
食事指導、運動指導、投薬治療です。
しかし、なかなか運動する時間がない…
カロリー制限の食事が長続きしない…
糖質制限食という方法が流行ってはいるが、現実は難しい…
などなど、経験した人でないとわからない苦労がつきまといます。
しかも、それが一生続きます。
どうしても途中で心が折れてしまうことと思います。
血糖値管理だけで大丈夫?
「血糖値は安定しているし、HbA1cの値も適正だから安心しています…」
そうおっしゃる方は多いでしょう。
しかしながら、大規模臨床試験の調査結果によると、合併症の発症には血糖値コントロールの良、不良はほとんど関係ないということが示されています。
もちろん、コントロール不良の場合のリスクは高いのですが、問題はコントロールがうまくいっていても合併症のリスクは残っているということです。
糖尿病の合併症とは?
主要な合併症は脳血管障害、心臓の冠状動脈障害、腎臓の糸球体障害、目の網膜症、四肢の血流障害…
その多くが重大な疾病であり、生活を大きく変えてしまいかねません。
合併症の多くは、その末梢の血管が損傷することが原因です。
末梢の血管が損傷するとは、どういうことなのでしょうか?
血管が損傷するとは?
酸素は体の中で、いろいろな物質と、くっついています。正常なときは無害ですが、分離して別の何かとくっついたときに、細胞のレベルで酸素は毒物になります。
そして、血管の内皮細胞が傷つきます。
それを治そうとして、コレステロールが使われますが、余ったコレステロールが血管の壁にくっついて侵入します。
血管の壁に進入すると酸化して、白血球の仲間のマクロファージという細胞がそれを異物と判断して食べてしまいます。しかし、マクロファージは分解できずに、泡沫細胞という細胞に変わり、血管の内腔にプラークという粥のような塊をつくるのです。
これが、いわゆる悪玉(LDL)コレステロールと呼ばれる理由です。
いわゆる善玉(HDL)コレステロールがその塊を掃除してくれるといいのですが、HDLコレステロールが少なかったり、例えば糖などが酸素とむすびついて毒物となるような状態が続くと、塊がどんどん溜まって動脈硬化を起こします。
血糖値が高いと?
主いわゆる悪玉(LDL)コレステロールが血液中の糖と結びついたとき、糖化LDL(AGE-LDL)となります。
糖化LDLが血管壁にこびりつき、侵入します。
それをマクロファージが異物と判断して食べ、プラークをつくっていくのです。
合併症の危険とは?
主要な合併症は脳血管障害、心臓の冠状動脈障害、腎臓の糸球体障害、網膜症などです。
それらの発症に、過去に蓄積されたコレステロールによる動脈硬化がかかわります。
動脈硬化が血管を梗塞させると重大な危機を招きます。
血糖値管理の目的は動脈硬化の予防を目的にしています。
合併症の予防とは?
血糖値の管理には患者さんも医師も一生懸命ですが、合併症予防についてはどうでしょう?
病名がつくまでは、あまり手を打たないというのが現実ではないでしょうか?
私どもでは、すでに進んでいる動脈硬化を意識して積極的に血管の管理をしていくことが大切と考えます。
鍼灸による治療で交感神経を刺激し、血管を拡張させて血液の循環を促します。
適切な箇所に、適切な刺激量を継続していると徐々に改善する方が多くおられます。